前置き
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを使用
- 全てのポケモンは指定がない限り理想個体
- 複数攻撃技は指定がない限りダブル補正込み
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さはそれぞれHABCDSの略称を使用
という事をご理解いただいている前提で書き進めますので、ご了承ください。
また、タイトルの通りVGC2014ルール(カロスダブル)での運用を前提としていることもご留意ください。
キリキザンについて
現在、VGC2014ルールの環境は、当初ほどではないが、物理を中心に動いている(※1)。
その環境下において、とくせい『いかく』(※2)は一度の発動だけでも大きなアドバンテージの取得が望めるため、非常に有用である。
今回題材としたキリキザンはとくせい『まけんき』によって、本来『いかく』で負うはずのA1段階下降のディスアドバンテージを、逆にアドバンテージ(※3)とすることが可能である。
また、この考察を書いている時点で、同ルールでの対戦オフにおけるギルガルドの採用率は急上昇しており、そのギルガルドに対してタイプ一致で弱点を突くことが出来、またまけんきのお陰でキングシールドによる択を無視して殴ることが出来る点も有用である。
※1:ガブリアス、バンギラス、ファイアロー、メガガルーラ、メガクチートなど。
※2:主にボーマンダ、クチート、ギャラドス、ズルズキン、メガライボルト。たまにグランブルなんかもいる。
※3:キリキザンは上記のいかく要員のうち、ボーマンダとメガライボルトを珠補正+A1段階上昇ふいうちで確定ないし高乱数1発で落とすことが出来る。グランブルはもともと上から叩ける。
性格、努力値配分、持ち物について
- 性格
上述したいかく要員へのふいうちでの確定数が変わるため、いじっぱりで確定とする。
- 努力値配分
4-252-0-0-0-252
実数値は
141-194-120-x-90-122
ダメージ計算は攻撃面、耐久面それぞれ後述するので、そちらを参照のこと。
- 持ち物
性格と同様の理由で命の珠で確定とする。
仮に他に持たせるとしたらきあいのタスキ辺りが無難か。ふいうちを潰されつつ打点のケアもされるおにびに対して強くなるラムも一考の余地あり。
技構成について
- 確定技
ふいうち
発動条件は限られるものの、タイプ一致で火力もある先制技。
B実数値が100の相手に対するダメージが
珠補正: 114〜136
珠補正+A1段階上昇: 172〜203
となり、特に後者の珠補正+A1段階上昇は
・H4振りボーマンダ(H171-B100)を確定1発
・H236振りメガライボルト(H175-B100)を乱数下2つ以外の高乱数1発
のように、自身より速い威嚇持ちのポケモンを信頼できる確率で処理出来る。
アイアンヘッド
タイプ一致で、フェアリータイプやバンギラスなどに対して撃つ。
H252振りのバンギラス(H207-B130)に対して
珠補正
ダメージ: 174〜211
割合: 84%〜101.9%
回数: 乱数1発 (6.3%)
となるように、技の威力が低いためそれほど制圧力は出せないが、安定して使える技として必要になる。
まもる
キリキザンは速くもなければ耐久があるわけでもないので、非常に縛られやすいポケモンであり、その縛りを解除するために確実に必要になる。
- 候補技
つじぎり
相手の行動に関わらず使えるあくタイプの一致技。これがないと身代わりギルガルドに対して寒い展開になるのでほぼ確定。
珠補正のみで
H252振りギルガルドシールドフォルム(H167-B170)に対して
ダメージ: 120〜143
割合: 71.8%〜85.6%
回数: 確定2発
H252振りロトムウォッシュフォルム(H157-B127)に対して
ダメージ: 79〜95
割合: 50.3%〜60.5%
回数: 確定2発
と、アイアンヘッド同様火力は足りていないので横のポケモンと合わせて処理することを心掛けたい。
ストーンエッジ
ファイアローと対面した場合、相手はふいうちで上から叩かれることを嫌ってブレイブバードを選択することがままあるのでそこに合わせたり、メガリザードンYとの対面で、相手がこちらの守るを読んできそうなところに合わせたり、という技。
要するに不利な対面を無理矢理択にする技だが、それ以外の場面ではほぼ腐る上、読み外した時のリスクが大きいので優先度は低い。
補正有りHB252振りメガリザードンY(H185-B143)に対して
ダメージ: 177〜213
割合: 95.6%〜115.1%
回数: 乱数1発 (81.3%)
なので、当てさえすればどんな振り方をされていようが落とすことは出来る。
どちらかというとタスキを持たせるときに考えたい技か。
ちょうはつ
本当にトリパなりモロバレルなりがキツイくてどうしようもないとかでもない限りは不要。そんなにキツイならPTを見直せとも思う。
珠持たせるキリキザンにさせることではない。
かわらわり
補正なしではH252振りバンギラス(H207-B130)に対して確定2発のところが、珠を持つことで確定1発に綺麗に化ける。
キリキザンミラーで有利を取れるようにもなるが、つじぎりを差し置いて採用する余地があるかは正直怪しいところではある。
H252振りキリキザン(H172-B120)に対して
ダメージ: 184〜220
割合: 106.9%〜127.9%
回数: 確定1発
※コメントのアドバイスにより追記。ありがとうございました。
S振りとH振りの差について
4振り(H141)と252振り(H172)のキリキザンの間で確定数に差が出る技は
・A200ガブリアスのじしん
ダメージ: 140〜168
99.2%で1発→確定耐え
・A172メガクチートのちからもち補正じゃれつく
ダメージ: 145〜172
確定1発→6.3%で1発
・C161キングドラの雨補正珠補正だくりゅう
ダメージ: 133〜157
75%で1発→確定耐え
・C172ロトムウォッシュフォルムのこだわりメガネ補正10まんボルト
ダメージ: 145〜172
確定1発→6.3%で1発
などがメジャーか。
一方で、サザンドラや珠バンギラスのだいもんじはどちらにせよ耐えず、キングドラに関して言えばメガネの方が多い上ハイドロポンプを撃たれれば落とされるし、ガブリアスが珠以上の補正アイテムを持っていればA182でもアウト、と振っても振らなくても落とされることもままある。
Sに振ると実数値で122で、多く振っていないFCロトムや無補正252バンギラスなどを上から叩けるようになり、被弾回数の軽減と言う点から考えるとSを上げた方が有効に働く場面は多い。
Hに振った場合、1/2が9タイプ、無効が2タイプのタイプ相性を活かしての安定した後出しが出来るようにはなる(が個人的にはあまり信用していない)。
そのPTでの使い方次第と言ってしまえばそれまでだが、持ち物のことを考えれば耐えたところで結局反動で落ちるので、ASに振り切ってしまうのがベターだろう。
PT構築について
キリキザンが有利を取れるのは
・ボーマンダ、メガライボルトなどのふいうちで縛れるポケモン
・せいなるつるぎを持っていないギルガルド
・あく、はがねが弱点のポケモン
メジャー格で言うとバンギラス、ニャオニクス、サーナイト、ゲンガー、など
これを踏まえてキリキザンと相性のいいポケモンをあげると
ボーマンダ、ギャラドス
ボーマンダはキリキザンが不利なガブリアスやサザンドラなどのドラゴンタイプの相手に対して有利を取れ、ストーンエッジを搭載すればファイアローやメガリザードンYなども処理でき、逆にボーマンダが不利なバンギラス、サーナイトなどをキリキザンである程度ケア出来る。ギャラドスもキリキザンの弱点であるかくとう、ほのお、じめんを全て半減以下に出来、縦横両方の相性がいい。一方で、いずれもでんき技の一貫性があるため、それをケア出来るポケモンを裏に用意したい。
物理技主体のポケモン
キリキザンがPTにいることで、選出段階で相手のいかく持ちの選出をある程度抑圧することができるため、メガガルーラやガブリアスなどの物理技を主体とするポケモンとの相性もいい。
通りやすい全体技を撃てるポケモン
キリキザンはあと一歩火力が足りないので、削りきれなかった相手を掃除する全体技を撃てるサーナイト、メガリザードンYなどのポケモンがPTにいると立ち回りやすい。
現状、ワイドガードを使ってきそうな相手はギルガルドが最メジャーだが、このギルガルドに対してはキリキザンが有利(※1)であり、他のワイドガード持ちはかくとうタイプのポケモンがほとんどで、そちらはキリキザンとの相性の面で入ってくるポケモンで自然とケアできるようになる。
※1:ワイドガードを搭載している場合せいなるつるぎが入る技スぺはない。
雨パーティ
雨パーティに採用すると、メガリザードンYに対して強気に立ち回れるようになり、横と合わせて上から叩きやすくなるため落としきれずに押し負けるということも少なくなる。また、キングドラのだくりゅうの存在で、上記の全体技の部分もマッチしている。この場合は相手のナットレイが大変つらいので、そのケアを出来るポケモンを一緒に採用したい。
構築例
キリキザン(いかく要員の抑圧、先制技による負担)
ボーマンダ(いかく要員、キリキザンとの並びで強い枠)
ガブリアス(全体技、でんきの一貫性のケア)
サーナイト(全体技)
メガリザードンY(全体技、天候のケア)
ロトムウォッシュフォルム(サポート)
あとがき
初投稿の拙い文章ですがお読みいただきありがとうございました。
考察中の間違いや改善点、読みにくいからこうしてほしいなどの要望がありましたら、コメントでご指摘していただければ幸いです。